公開前の確認をAIに任せたい、という相談をよくいただきます。最初に申し上げるのは、最初から完璧なチェックリストは作れないということです。
自社の25項目も、設計して作ったものではなく、事故が起きた順に足した結果です。
増やす順番は「起きた順」でよい
思いつく限りの項目を先に並べると、たいてい2つの問題が起きます。 実際には起きない事故の検査が増えて実行が重くなること、そして 本当に起きる事故が入っていないことです。
おすすめは、1件事故が起きるたびに1項目足す形です。地味ですが、増えた項目はすべて 「実際に起きたこと」なので、外れがありません。
| 足すきっかけ | 足す検査の形 |
|---|---|
| 公開後に、社内メモがそのまま残っていた | その語が本文に含まれていたら止める |
| リンクが空のまま出ていた | リンク先が空・仮の値なら止める |
| 作業用ファイルが混ざって公開された | 決めた置き場の外にその拡張子があれば止める |
検査器そのものの落とし穴3つ
1. 書き方のわずかな違いで、対象を丸ごと見落とす
記号のあとに空白があるかないか。それだけで、検査が対象のファイルを一件も見ないことがあります。 表示は「0件」なので、うまくいっているように見えます。 検査を書いたら、必ず違反しているものを1件わざと通して、止まることを確かめてください。
2. 注意書きそのものを、違反として数えてしまう
「この書き方は使わない」と注意書きに書いた、その文字列を検査が拾ってしまう。 直すところが無いのに毎回警告が出て、やがて誰も見なくなります。 コメントや注釈は、数える前に取り除きます。
3. 何も検査せずに終わっても、成功に見える
対象が0件だった、設定の書き間違いで一件も読まなかった。 どちらも「違反0件・正常終了」と出ます。これがいちばん静かに壊れます。
自社では、恒久的に違反している項目を1件だけ登録しています。 それが「違反」と出ない実行は信用しません。検査が空回りしていたことに、これで気づけます。
誤検知は、検査を狭めて消さない
間違って引っかかるものが出ると、条件を狭めたくなります。しかしそれをやると、 本物も一緒に落ちます。狭めるのではなく、「これは誤検知」と分かっているものを 一覧に登録して、そこだけ除外します。検査の網はそのままにしておきます。
人が見るのは、機械が判定できないところだけ
機械に向くのは「あるかないか」で決まるものです。 語が入っているか、属性が付いているか、置き場が正しいか。ここは全部渡してしまってよい部分です。
人に残すのは、読んだときの分かりやすさ、事実として合っているか、 その相手に出してよい内容か。この線引きを決めることが、実はいちばん時間のかかる作業です。 逆に言えば、ここさえ決まれば、あとは積み上げるだけになります。